2012年 1月 海の花
 クラゲと聞くと皆さんは、毒がある、刺すなどあまりいいイメージを持っていないと思います。確かにほとんどのクラゲは毒針を持ち刺します。これはヒトを刺すためではなく、エサのプランクトンを捕らえるためで、普段毒針は触手にある小袋(刺胞:しほう)の中に収納されています。エサなどの接触刺激により、その毒針が発射される仕組みですが、私たちが誤って触ったりすることでも刺されてしまうのです。体の約94%は水分で、骨格、脳、心臓、血管などはなく、胃と生殖器官、刺胞や粘着細胞を持つだけの、非常にシンプルな体のつくりです。

 当館の目の前に広がる博多湾にも多くのクラゲが生息しており、これまで13種類を採集しました。季節ごとに現れる種類が異なるため、それらを見つけるために、長い柄のひしゃくを持って海面を凝視し、潮の流れに乗ってきたクラゲを見つけると水ごとすくいます。ゆらゆらと優雅に泳ぐクラゲを見ていると、海に咲く花とよばれることもうなずけます。また、見た目だけでなく、生態を調べるともっと「花」らしさに気付きます。

 多くのクラゲは初め海底の岩などに付くポリプとよばれる時期があり、分裂などの増殖や変態を繰り返し、泳ぐクラゲとなります。その後成熟し繁殖をすると一生を終えます。花の命は短いといいますが、クラゲの場合もポリプ世代は長く、花開くクラゲの形になれば、1週間ほどで生涯を終える種もいます。透明な体に強さとはかなさを持ち合わせた生物に、私たちも何かを感じるのかもしれません。

(魚類課 鈴木泰也)

アカクラゲ
アカクラゲ

ウリクラゲ
ウリクラゲ

 


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