2008年 10月 アシカの駆虫(くちゅう)
 動物の体内には、大なり小なり寄生虫がいます。その寄生虫を薬などで殺すことを「駆虫(くちゅう)」と言い、私たちは飼育動物の健康管理のため、定期的に駆虫薬を与えています。一般家庭でも、犬や猫にフィラリアの予防薬を与えることがありますが、これも駆虫の一種です。同じように水族館でもアシカにフィラリアの駆虫をしています。
 フィラリアは、血液から心臓や肺などに移動して栄養分を吸い取って生きる寄生虫です。蚊によって伝染するため、屋外で飼育されている動物には寄生の危険があり、もし寄生を放置しておくと死に至る、恐ろしい病気です。
 そこで当館では、月に1回、予防のために駆虫剤を与えていますが、飲ませる時にも工夫が必要です。アシカにとって薬は食べ物ではないので、薬だけでは飲みません。そこで、エサの中に薬を埋め込み、一緒に飲み込ませるのです。
 ところが、頭の良い動物は、薬が入っているのが分かると吐き出してしまうこともあります。そこで、薬を確実に飲み込ませるために、まず、普段のエサを与え、すかさず薬入りのエサを口にいれます。こうすることできちんと飲み込ませることができるのです。
 このような工夫や予防のかいあって、アシカは元気に暮らしています。病気などを未然に防ぐ努力も、必要な仕事の一つなのです。

(海老澤 友美)


薬入りのエサを食べるアシカ

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