●1994年11月29日午前11時30分頃、福岡市博多湾奥部の雁ノ巣の砂浜に、3メートルを越えるサメが漂着(ひょうちゃく)しているとの連絡が入りました。 電話の内容から、おそらくメジロザメの仲間かあるいはイルカを見間違えたものだろうと想像しましたが、確認のため職員3名で出かけることにしました。

●現地に入り、遠くから見え始めた大きな物体は、確かにクジラの様にも見えました。 しかしその疑問はすぐに、信じられないような驚きに変わりました。 何とその生物はこれまで写真でしかお目にかかったことのない、幻の巨大魚「メガマウス」だったのです。 「なぜこんなところに‥」としばらく立ちつくしてしまいました。

●メガマウスとは「大きな口」の意味で、その名のとおり大きな口をした深海性(しんかいせい)のサメです。 歯は小さくプランクトンを食べて生活しています。大きな体も特徴的なのですが、それより最も特筆(とくひつ)すべきことは、これまでに世界でわずか6個体しか発見されていない(すべて太平洋沿岸)、大変貴重な魚であるということです。

●職員総動員でやっとの思いで館へ搬送(はんそう)し、各部を測定した結果、全長471cm、体重790kgのメスであることが判明しました。 これまでに標本として残っている3個体はいずれもオスであるため、今後の研究で繁殖方法(はんしょくほうほう)などさらに多くの謎が明らかになることでしょう。

 

※こちらからメガマウスの発見から展示までの工程を写真で見ることが出来ます。


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